私たちの施設では、一番年齢の高いご利用者は102歳、最も若いのは59歳で、その差は43歳です。ほとんどの親子がこの年齢差に収まります。皆さんはご両親やお子さんと、生活習慣や嗜好(しこう)、経験の違いを感じていませんか?
施設には異なる世代が生活しているのですから、日々の過ごし方や食べ物にもっと多様性が必要ではないでしょうか。
また現在、介護保険サービスを利用する世代で最も多いのは、昭和一桁生まれ、80代の方々です。昭和一桁世代は、戦前・戦中教育を受けた方々です。一方、徐々に増えている昭和二桁世代は、主に戦後教育を受けた方々です。そして1945年生まれの方が70歳を迎えました。社会の価値観や教育などは終戦を境に激変しました。生きてきた時代を背景として「義務」から「権利」中心に、ご利用者の意識も変化しています。そうした中、今のままの介護保険サービスで対応できるでしょうか。満足が得られるでしょうか。
携帯電話やインターネットなどを利用する世代も急増しています。
私たちの法人では、近年に建設・改修した施設の各居室で、インターネットを使用できるようにしています。今の高齢者の多くは、携帯電話やインターネットも日常的に使っておられます。デイサービスなどの利用で施設に来られる際、携帯電話を持参される方が多くなっています。先日はご利用者が職員と一緒に、携帯電話の機種変更のため、外出しました。
さらに、ショートステイ利用後、ご自分のブログに、利用中の様子をアップされる方もおられます。また、入居型施設でも携帯電話持参が始まっています。
ご利用者の世代の変化と、インターネット世代の増加という流れに、サービス事業者は付いていくことができているでしょうか。ご利用者は今後、どんな事業所を選んでいくのでしょうか。