ご利用者にとって、施設のケアへの考え方によって、生活が大きく変わります。どういうポイントがあるでしょうか。
(1)持ち込む荷物は自由か。
私たちの施設では、入居は「賃貸の部屋に引っ越しをしていただくこと」と同じだと考えています。ですから、第三者の迷惑にならない限り、どんなものを持ってくるかは自由です。
亡くなった家族のご位牌、大切に育てた植物、ペット、家族が面会に来られた時のためのソファ、泊まる時のための簡易ベッドなどさまざまです。何よりも自分が生活しやすいように、持ち物の配置をすることはとても大切です。
(2)部屋の備品はどうか。
私たちの施設では、2006年以降に建設・改修した居室には、有線LANを設置しています。
まだ利用者は少数ですが、ショートステイ利用後、自身のブログにその時の様子を載せている方もいらっしゃいます。また、自分で貴重品を管理できる鍵付きのボックスや金庫があることも大切です。
(3)今までの関係性を大切にしてくれるか。慣れ親しんだ場所に行けたり、連れて行ったりしてくれるか。
ご利用者は皆さん、それまでに社会や地域、家庭でさまざまな役割を持ち、人間関係を育んでこられた方々です。その関係性を継続できるようにケアすることはとても大切です。
老人会、町内の集まり、今までの美容院、買い物をしていたお店…。これらに行けるよう、支援してくれていますか?
私たちの施設では、中学校の同窓会に出掛けた方もおられます。こんなことが当たり前にできると良いですね。