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22.施設生活の疑問-食事

今回は食事について書きたいと思います。日常の食事は生きていく源であり、楽しみです。しかし、どうでしょうか。
施設の食事は、全員が食堂で同じ時間に食べ、一定の時間で下膳されます。食器などを調理場に早く返さないと、次の食事準備が間に合わないことが主な理由です。
ただ、食べるのにかかる時間はそれぞれ違います。睡眠リズムによっては、朝遅くに食べたい人もいます。傾眠状態(半分眠ったような状態)で食べ物を口にすることは誤嚥(ごえん)の危険があります。
遅い時間に起きてゆっくり自分のリズムで食べることや、1食くらい抜いても1日に必要な量と栄養が取れれば、よいのではないでしょうか。私事で恐縮ですが、給食を全部食べられず、昼休みも残されて半べそをかいた小学校時代の苦い経験がよみがえってきます。偏食が多い私は、施設の決められた食事を毎日ちゃんと食べることは不可能だと思います。
食事は極めて個人差が大きいので、食事時間や本人の嗜好(しこう)に合わせることが大切だと思います。私たちも時にはカップ麺を食べたり、夜遅くにおなかがすいたりする時があります。お酒を飲みたい人もいるでしょう。
現在、多くの施設で食事のあり方を変える動きが広がっています。私たちの施設でも、ユニット型やグループホームを中心に、調理場でまとめて作るのではなく、食事をする場で、ご利用者とともに作っていくことを進めています。従来型の古い施設でも、簡単な流し台を設置し、ご飯を炊いたり、みそ汁や副菜を作ったりしています。
今まで反応の乏しかったご利用者が、ご飯の炊き上がりの音や匂いに反応して、「何か手伝おうか」と言ったり、しっかり目を覚ましてくれたりする効果もみられました。冷蔵庫には冷凍食品などを保管しておいて、希望があった時に出せるようにしています。欠くことのできない食事ですから、一人一人の満足を高めていくことが大切です。