お知らせ

12.今後の介護保険サービス

介護保険制度は施行16年で、サービス利用者が約2.5倍と爆発的に増えました。「介護認定」「介護支援専門員」「介護サービス」といった言葉も日常的に聞かれるようになりました。私は、近年の厚生労働省の行った施策の中で、“大ヒット作”と言って良いと思います(課題は多くありますが)。
その大きな理由は、介護支援専門員が制度の要となり、サービスが「ワンスットップ」で、使えるようになったことだと思います。それまで、行政や、医療機関、施設などそれぞれで申し込みが必要でしたが、一回で済むようになりました。
しかし、サービスの機能は事業所ごとに分かれており、デイサービスはA事業所、ショートステイはB事業所など、利用者がそれぞれ違う場所に行く仕組みがほとんどです。高齢者にとって、違う場所に行くことは、ダメージが大きく、認知症の悪化やの身体機能の低下をまねきやすくなり、事故の危険も増大します。
これからは、サービス機能のワンストップ化(一元化)が必要です。これを制度的に行なえているのが小規模多機能居宅介護です。小規模多機能居宅介護は、介護が必要となった高齢者が、住み慣れた家・地域での生活を継続できるように、通いを中心に、泊り、訪問などを組み合わせて、同じ場所で同じ人が関わり、在宅生活を支援します。
今後の介護保険サービスを考えた時、他の介護保険サービスでもこれらの機能が必要です。例えば、認知症グループホームでもデイサービス、ショートステイが可能ですので、訪問機能をつければ、同様なサービスが展開できます。
今後サービスの種類にかかわらず、通い、泊まり、訪問、相談が一体的に提供される事業所が大切になってきます。
また、事業所が利用者の生活圏域にあり、地域に開かれていなければなりません。