自分に置き換えてみる
日本は高齢社会が進行していますが、その捉え方に関して、課題や問題ばかりが取り上げられていることに疑問を持っています。
高齢社会は豊かな社会であり、日本は人類史上初の超高齢社会のトップランナーとして、世界に先駆けているのです。
〈生まれ持った寿命を全うできる社会〉
〈戦争・紛争がない社会〉
〈食料、医療、福祉が整っている〉
などなど、「大変な問題」ではなく、「より豊かになるためのハードル」として考えていきたいものです。
高齢社会は平和と豊かさのたまものであり、私たちがずっと望んできたことでもあります。それを享受できるようになっているのです。そして、生命の終わりに近づいた人の尊厳を守り、社会で「介護」に取り組む時代だと思います。
高齢化や認知症の増加について、問題だと盛んに言われていることは、私たち自身の課題です。
皆さんの家族や親戚の人たちのことを思い浮かべてみてください。認知症の人や、何らかの障害がある人が誰もいないという人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
もし、ご自分や、ご自分の両親が障害を持ったり認知症になったりしたら、どうでしょうか。
どのような生活がしたいですか?
どんな人生を送ってほしいですか?
どんな地域だったら障害を持っても暮らしやすいですか?
どんな施設だった利用してもいいですか?
「自分だったら」をキーワードに考えていくと、物事は考えやすくなるのではないでしょうか。
これからの連載では、これらを問いかけていきたいと思います。少し私とお付き合いいただけたら、ありがたいです。毎週火曜掲載です。